株式会社久世

お話を伺った方
物流本部 物流企画部長/ 千葉 純様
業務システム部 統括マネージャー / 山﨑 良昌様
*役職は取材当時
音声端末システムからAndroidハンディーターミナルへの移行
業務用食材の卸売を主軸に、全国の外食産業や食品加工業へ高品質な食材とサービスを提供する株式会社久世。物流体制の効率化と現場の柔軟な人員運用を目指し、倉庫業務へのHoneywell業務端末導入を推進したプロジェクトご担当者にお話を伺いました。
ご担当者様へのインタビュー
Honeywellの業務端末を導入する前に、御社が抱えていた課題についてお教えください。

既存の倉庫作業(入荷・棚卸・出荷作業など)では、「音声端末システム」を使用していました。このシステムは、作業員一人ひとりに対して必ず「初期音声登録」を行う必要があり、その設定にはおよそ30分ほどの時間がかかっていました。一見すると30分という時間は大きくないようにも思えますが、当社の現場では毎日のように作業員が入れ替わるため、そのたびに新しい作業員ごとに初期登録を行う必要がありました。こうした状況は、流動的かつ柔軟な人員配置を行いたいという当社の運営方針にとって大きな障壁となっており、「初期音声登録」という工程を経ずに、すぐに使える別のソリューションやデバイスを導入することが不可欠であると考えるようになりました。既存の「音声端末システム」の作業性の良さは活かしつつ、人手不足や人員の入れ替わりといった課題を同時に解決できないかという思いがあり、物流本部からシステム部門へ繰り返し相談を行っておりました。その中でシステム部門は、自社倉庫システムに「ハンディターミナルをウェアラブルとして利用できるようにする」という案を立案し、実現可能性の調査・検討を開始しました。

Honeywellの業務端末導入するに至った経緯についてお聞かせください。

倉庫で利用するデバイスの選定にあたっては、いくつかの必須条件がありました。たとえば、冬場には庫内温度が-20℃前後まで下がるため、その環境でも安定して稼働できること。さらに、現場では厚手の手袋を着用して作業するため、手袋をはめたままでもスムーズに操作できるタッチパネルであること。そして、今回の導入ではウェアラブル利用を前提としていたため、端末自体の軽さや薄さも重要な条件となっていました。こうした運用上の制約をすべて満たす必要がありました。 これらの条件を十分に満たし要件に合致し、最終的に採用に至ったのがHoneywell製のScanpal EDA56というモデルでした。EDA56は、耐久性や操作性、バッテリー容量、低温環境への耐性、そして軽量・薄型といったハード面の条件をすべてクリアしていました。 それに加え、コストパフォーマンスの面でも高く評価できるものでした。この段階で、「この端末なら現場の要求を満たせる」という確信が持てました。
既存デバイスに比べ、
コスト・導入時間ともに70%削減し、
作業スピードは同等以上を実現
コスト・導入時間ともに70%削減し、
作業スピードは同等以上を実現
端末選定後にも課題があったと伺っております。

端末が決定した後の大きな課題は、「いかに快適にウェアラブル化するか」でした。イヤホンやグローブスキャナなどの周辺機器は既製品の組み合わせで十分対応できましたが、問題は「腕への装着具(ウェアラブルキット)」でした。現場では何時間も装着したまま作業するため、快適性と実用性を兼ね備えていなければ、せっかくの導入も現場定着しない可能性があります。 市販のスマホバンドなども複数試しましたが、 「固定が甘くずれてしまう」・「固定具が端末のボタンを押してしまう」・「取り付け・取り外しが煩雑」・「サイズが腕に合わない」などの問題があり、求める品質には届きませんでした。 そこでイメージャー様との打ち合わせを重ねる中で、専用のウェアラブルキットを試作してくださることになりました。弊社側では現場での実地検証を担当し、数回にわたって試作品を評価・フィードバックしました。こうしたやり取りを通じて、現場で求められる細かな機能や快適性を正確に反映いただき、最終的には価格面でも満足できる最適な製品を提供していただくことができました。
導入効果などを教えていただけますか。

今回のHoneywell業務端末は、従来の音声端末に替わる形で、入荷・棚卸処理・出荷処理といった倉庫の主要業務に採用しました。まずは入荷・棚卸処理のシステム開発が完了し、音声案内によって作業を進める仕組みを新端末に実装しました。その結果、既存の音声端末システムと同等、もしくはそれ以上のスピードで業務をこなせることが確認できています。導入コストの面でも大きな効果がありました。従来利用していた音声デバイスと比べて、Honeywell端末はおよそ3分の1のコストで導入でき、複数台の配備を必要とする倉庫業務においては非常に大きな投資効果となりました。さらに、導入時に必要となるキッティング作業についても、イメージャー様から手厚いサポートをいただき、自動化を実現しました。その結果、1台あたり約1時間かかっていたセットアップ作業が、わずか20分程度にまで短縮され、現場の準備負担が大幅に軽減されています。 こうした業務改善をお客様に還元すべく、私たち久世としては「相手の期待を1ミリでも超えていく」という姿勢を、食材提供という本業の場でも体現し、お客様に還元していきたいと考えています。
ご採用いただいた製品
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お役立ち資料
- 導入企業
- 株式会社久世
- 業種
- 倉庫
- 物流
- 用途
- 入出庫
- 在庫管理
- ソフト
- 自社開発など
- 概要
- 倉庫業務の効率化と柔軟な人員配置を実現するため、Honeywell製ハンディーターミナル「EDA56」を採用