追記:2020/07/30

防爆(ぼうばく)とは?|防爆規格・認証の種類

防爆とは?

爆発の危険がある場所でも使えるように対策すること

石油精製工場や化学合成プラントなどの可燃性ガスや熱発性ガスが放出される危険な場所では、一般的な電気機器では使用中に発せられる静電気などの微力な火花がガスの発火・爆発の起因となり大変危険です。そういった爆発の可能性がある場所などで爆発を誘引しないよう対策をとることを【防爆】といいます。

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また、防爆対応された機器=【防爆構造電気機械器具】のことを【防爆機器】・【防爆端末】などと呼びます。

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防爆端末が使われているところ

石油コンビナート、化学合成プラントなど常に可燃性ガスが発生しているところから、発電所など爆発の誘引を避ける必要があるところの他、可燃性物質を含んだインクを使用している塗料工場・製造工場、粉塵爆発の危険性がある食品工場など、さまざまな現場で【防爆端末】は使われています。

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防爆規格とは?

危険場所で使用する電気機器には法規制がある?

労働安全衛生法のもと、危険な作業や有害な作業を伴う機械等に関する規制があります。(労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令)
つまり、「爆発などの可能性がある危険な場所では、防爆規格を取得した電子機器でないと使用してはいけない」ということが法令で定められています。

日本の防爆規格・防爆認証試験

日本では公益社団法人 産業安全技術協会をはじめとした国から認可を受けた※登録機関の防爆試験(型式検定)を受け、その試験を通過する必要があります。日本国内では防爆試験を通過した機器にのみ発行される型式検定合格証を取得した製品でなければ使用できません。

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※登録機関:2018年1月23日付、厚生労働省より労働安全衛生法第54条の2において準用する労働安全衛生法第46条第1項の規定により、IECExを取得済の機器が対象となる【外国登録型式検定】が認められました。これにより以下4つの機関が【型式検定合格証】を発行できるようになりました。

  • 公益社団法人 産業安全技術協会
  • CML社(本社イギリス)
  • CSA UK社(本社カナダ)
  • DEKRA社(本社オランダ)

爆発の危険度に応じて危険場所を3種類に分類

可燃性ガスが常に充満しているような石油精製プラントから、有事の事態があった場合に可燃性ガスが漏れる可能性がある、といった場所など爆発の危険度に応じて危険場所を3種類に分類されています。TIISをはじめとした防爆規格は爆発の危険場所に応じて、審査基準が異なります。常に爆発の危険がある場所=【ZONE0】、爆発の可能性がしばし発生する場所=【ZONE1】、通常は爆発の可能性がない、もしくは発生しても短時間しか持続しない場所=【ZONE2】

海外の防爆規格はどのようなものがある?

国際的な防爆規格

IEC(国際電気標準会議)のもとに運用されている国際的な認証システムのひとつにIECExシステムがあります。IEC防爆機器規格適合試験制度と呼ばれており、防爆機器に関する国際的な相互認証制度です。2019年9月27日現在、世界35カ国が参加しており日本は2005年に25番目の国として加盟いたしました。

加盟国一覧:日本・オーストラリア・ブラジル・カナダ・クロアチア・チェコ共和国・デンマーク・フィンランド・フランス・ドイツ・ギリシャ・ハンガリー・インド・イスラエル・イタリア・サウジアラビア・マレーシア・オランダ・ニュージーランド・ノルウェー・中国・ポーランド・韓国・ルーマニア・ロシア・シンガポール・スロベニア・南アフリカ・スペイン・スウェーデン・スイス・トルコ・アラブ首長国連邦・イギリス・アメリカ(以上、計35カ国 順不同)

IECEx:公式サイトより最新情報をご確認いただけます
https://www.iecex.com/information/countries/

国によっても防爆規格は異なる?

国際的な防爆規格である【IECEx】のほか、防爆規格は国によっても認証制度が存在しています。有名なところではアメリカの防爆規格である【UL規格(UL-429/1002)】とヨーロッパ(EU諸国)の防爆規格である【ATEX】などがあります。

ULに関する詳細
https://www.ul.com/

ATEXに関する詳細
https://ec.europa.eu/growth/sectors/mechanical-engineering/atex_en

日本国内で使用可能なハンディーターミナル

国際規格を取得しているだけでは日本国内では使えない

IEC規格やUL(UL-429/1002)、ATEXを取得した機械であっても日本国内での使用は必ず公益社団法人 産業安全技術協会をはじめとした国から認可を受けた登録機関の検定審査に合格した機器=日本の防爆規格を取得した機器でなければ使用できません。

国内利用台数1000台以上Dolphin99EXniの後継機がついにリリース

Dolphin CT60niは*国内防爆規格取得、Android OSを搭載したハンディーターミナルです。
処理速度が求められる業務端末としての性能だけでなく、業界最長7世代のOS(Android7.1から13)に対応した長期サポート、バーコードエンジン性能、耐落下性能などの堅牢性、そして市場シェアを持っているからこそ可能なコストを抑えた導入など、過酷な環境下での運用に最適な業務用PDAです。ページ下部の【製品紹介】から製品詳細ページをご覧いただけます。

*【CML】型式検定合格番号:CML20JPN2099X

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この記事を書いた人

松岡 泰樹

松岡 泰樹

【じ】編集長 兼営業部SDR(セールスディベロップメントチーム) マネージャー。ひとり編集部として、イラスト制作からライティングまで全工程を担当。SDRでは導入前の機器選定・評価サポートから、現場改善支援、協業パートナーと連携したDX支援に従事。