ヘルスケア・モデルとは?|薬剤消毒が可能な特殊プラスチック

ヘルスケアモデルのバーコードリーダー・PDA

ヘルスケア・モデルはどこで使われている?

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ヘルスケア・モデルの製品は医師が診断結果を入力する電子カルテの入力、患者ケアや看護師の間での情報伝達、受付の会計や患者資料の管理、薬局での薬剤ピッキング・エビデンス管理まで、医療に関わるさまざまな現場でヘルスケア・モデルが採用されています。また病院や薬局内だけでなく、製薬工場や医薬品の物流現場でも使用されるケースが増えています。

ヘルスケア・モデルの種類|それぞれの用途

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ヘルスケア・モデルの種類には、iPhoneやiPodに装着するバーコードリーダーのついたケースの【ジャケット・タイプ】、院内電話などスマートフォンのように扱うことができ、電子カルテも動かせることからパソコンの代役として近年注目されてるバーコードリーダーのついたAndroid端末【PDA】、パソコンに接続して使う【バーコードリーダー】、などがあります。

ヘルスケア・モデルの特徴

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ヘルスケア・モデル製品には医薬品による消毒が可能な特殊なプラスチックが採用されています。医療業界で用いられるクリーニング用薬剤には、【次亜塩素酸ナトリウム】・【エタノール・イソプロパノール(イソプロピルアルコール)】・【過酸化水素水溶液(オキシドール)】といった私たちが耳にしたことのある消毒薬から、【第4級塩化アンモニウム】・【塩化ベンザルコニウム】・【フェニルフェノール】といった聞き慣れない薬剤がありますが、Honeywellのヘルスケア・モデルの製品はこれらの薬剤全てに※対応しております。

医薬品成分Honeywell製ヘルスケア・モデルの払拭消毒
次亜塩素酸ナトリウム
エタノール・イソプロパノール(イソプロピルアルコール)
過酸化水素水溶液(オキシドール)
第4級塩化アンモニウム
塩化ベンザルコニウム
フェニルフェノール
エチレングリコールモノブチルエーテル
※薬品製造メーカーが推奨する使用手順・希釈方法に従った払拭消毒の場合

Honeywellが世界で初めて開発した?

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Honeywell社はアメリカ医療業界の感染症対策と疾病管理における厳しい滅菌・殺菌消毒の要求に応えるため、※DRHs(耐薬品耐性筐体)のバーコードリーダーを世界で初めて開発しました。

※【DRHs】=【Disinfectant-Ready Housings】

全てのHoneywell製ヘルスケア・モデル製品にはDRHsが使用され、医療業界で使用される強い薬剤を使用した消毒にも耐性があります。以下、Honeywell製ヘルスケア・モデルとして使用推奨しているアメリカ国内で販売される医薬品を用いた商品の一例となります。

製品名主な医薬品成分
Sani-Cloth® HB,Sani-Cloth® Plus,Super Sani-Cloth®第4級塩化アンモニウム+イソプロパノール(イソプロピルアルコール)
Sani-Cloth Bleach® 次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム+イソプロパノール(イソプロピルアルコール)
Alcohol Wipes 70%イソプロパノール(イソプロピルアルコール)
CaviWipes™ イソプロパノール10-20%、エチレングリコールモノブチルエーテル1-5%
Virex® 256 塩化ベンザルコニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム
409® Glass and Surface Cleaner 塩化ベンザルコニウム、1-プロポキシ-2-プロパノール
Windex® Blue イソプロパノール(イソプロピルアルコール)、0%:2-エトキシエタノール、ドデシルベンゼンスルホン酸Na
Clorox® Bleach 次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム
ProSpray™ Wipes(Disinfectant towelettes)フェニルフェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール
100% Gentle dish soap and water食器用洗剤(中性)
Oxivir TBベンジルアルコール、過酸化水素水溶液
Sani-Cloth Prime Germicidal Disposable Wipeアンモニウムクロロイド0.61%、エチルアルコール27.3%、イソプロパノール28.7%

一般的な電子機器には消毒薬剤は使えない?

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バーコードリーダーに限らず、一般的な汎用モデルの電子機器にはプラスチックの一種であるポリカーボネート(polycarbonate)やABS樹脂(Acrylonitrilebutadiene-styrene)という素材が筐体の主成分として使われています。これらの素材は成型加工しやすい特徴がある一方で、薬剤消毒のような化学薬品への耐性がありません。そのため、アルコール消毒や医療現場で使用する強い薬剤を用いた消毒を繰り返し行ってしまうと変色、膨張、硬化、亀裂、破損といったハードウェアの故障・障害を引き起こします。このような化学薬品による電子機器へのダメージを【ケミカル・クラック】【ソルベント・クラック】などと呼び、電子機器に「アルコール消毒は行わないでください」といった注意書きが記載されているのはこのためです。

抗菌プラスチックと何が違う?|抗菌でも菌は付着する

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私たちの身近にも多い【抗菌(Anti-Microbial)】製品ですが、1990年代後半から抗菌性能のあるプラスチックを工業用製品へ採用するメーカーが急増しました。その後国際規格としてISO22196:2011で【抗菌】が定義され、一種の流行とまでなりました。【抗菌】とは菌の増殖を抑えることを意味します。抗菌と聞くと菌を寄せ付けないことをつい連想してしまいますが、あくまでも菌の増殖を抑えるだけであり、菌の付着を防ぐという効能はありません。また、抗菌プラスチックであってもアルコール消毒や薬剤消毒が出来ない製品も多いのが実情です。

アメリカの感染症対策などを管轄する政府機関CDC【アメリカ疾病予防管理センター: Centers for Disease Control and Prevention】の発表でも、抗菌プラスチック製品の使用が感染症・疾病予防を示唆する証拠はなく、感染対策の一部としてこれらのアイテムの使用を支持するデータはないとしており、抗菌プラスチックを使用した製品であっても定期的な消毒が必要であるとしています。

 

医療現場だけではない?|ヘルスケア・モデルの幅広いニーズ

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ヘルスケア・モデルという名称からつい医療現場だけの使用をイメージされてしまいますが、数年ほど前から医療現場の枠を超えた幅広いニーズがあります。食品製造業界では厚生労働省管轄のものと【HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)】と呼ばれる衛生管理の手法が広まり、食中毒対策などに向けた製品清掃の必要性からヘルスケア・モデルが採用されるケースが標準となりつつあります。またそれに準じて、食品を取り扱う大型スーパーなどの小売店にもこの流れがあるほか、お客さんとの接点のある物流業界や、企業や官公庁などのオフィスユースの場合にも、アルコールをはじめとした薬品消毒が可能なヘルスケア・モデルの需要が高まっています。

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【じ】編集部

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自動認識の【じ】編集部が執筆しております。「自動認識(じどうにんしき)業界をみじかに」をコンセプトに、ニッチな業界の旬な情報をなるべく分かりやすくお届けすることを心掛けている編集部です。