バーコードリーダーの選び方|モーション・トレーランス編

バーコードリーダーの選び方 読み取り性能・その4|モーション・トレーランス編

バーコードリーダーの選び方を【読み取り性能】・【コスト削減】・【運用最適化】に分けて連載していきます。
本記事は効率と生産性に直結するバーコードリーダーの読み取り性能に関する内容の4/7回目、モーション・トレーランス性能について取り上げております。

 

バーコードリーダーのモーション・トレーランスとは?

バーコードリーダーの性能表に記載される項目の中でも、ひと際目立つ※モーション・トレーランス。モーション・トレーランスは動く読み取り対象に対する性能を表し、対象の秒速の移動スピードで記載されています。

バーコードリーダーの選び方_モーショントレーランス

一見分かりづらい値ではありますが、実はバーコードリーダーの使いやすさや読み取りテンポといった【数値では表しにくい使用感】を大きく左右する重要な項目の一つです。

※弊社では製品のスペック表にて【モーション・トレーランス性能】項目を【読取可能移動速度】という名称で記載しております。

モーション・トレーランス性能が読み取りの切れ味を決める?

バーコードリーダーの選び方_モーショントレーランス

自動認識業界では、モーション・トレーランス性能が高い機種の読み取り特性を【切れ味鋭い読み取り】などと表現します。性能表には読み取り対象の移動速度で表記されているため、モーション・トレーランス性能は一見とても分かりづらい項目です。【4m/秒】で移動するバーコードと言われても理解出来る人は少数かと思います。

読み取りの切れ味とは?

手持ち式バーコードリーダーにおけるモーション・トレーランス性能が高いことによる最大の恩恵は、バーコード読み取り時に静止する必要がなく手を動かしながら読み取れることです。このことを読み取りの切れ味などと呼んでおり、地味な特徴にも思われますが、実はこの違いが冒頭で述べたバーコードリーダーの使いやすさや現場の作業者の読み取りテンポといった数値では表しにくい、使用感を大きく左右する重要な項目の一つとなります。

バーコードリーダーの選び方_モーショントレーランス

モーション・トレーランス性能が低いバーコードリーダーでは、読み取り時に読み取り対象のバーコードの前で手を止めて静止する必要があります。これが使用者による読み取りスピードが違う原因となり、作業者毎の作業スピードや現場の作業テンポの悪化の原因となります。実際に機器を触ってみると「これが切れ味のある読み取りか」とご理解いただけることが多い、スペック表で理解しづらく、触ってみてはじめてその違いが分かるというのが正直なところです。

以下は少し古い映像となりますが、Honeywell社製バーコードリーダーのモーション・トレーランス性能をテストしている映像です。瞬間的ではあるものの、実際に私たちが手を動かす速度はこの回転台よりも早いスピードで動かしています。
※右:Hoenywell製バーコードリーダー Xenon1900シリーズ

 

モーション・トレーランス性能は何で決まる?

バーコードリーダーのモーション・トレーランス性能は、読み取りの心臓部であるバーコードエンジンの※シャッター機構とシャッタースピードにより決まります。

※2次元バーコードリーダーの場合


モーション・トレーランス性能の低いバーコードリーダーにはローリング・シャッター、モーション・トレーランス性能の高いバーコードリーダーにはグローバルシャッターという機構が採用されています。また性能の高いバーコードリーダーでは一秒間のシャッター回数を意味する※FPSの数値が高く、画像処理のスピードが求められます。ローリング・シャッターやグローバル・シャッター、シャッタースピードなどはカメラの世界ではよく飛び交う用語で、カメラや映像が趣味の方にはとても身近なものかと思います。

バーコードリーダーの選び方_モーショントレーランス

1秒間に切るシャッター回数を表すFPS。Frame Per Secondの略です。私たちの身近なところを例にあげると、テレビ放送で使われている映像は30FPSで撮影されており、映画ではさらに遅い24FPSで撮影が行われています。Honeywell社Xenonシリーズのバーコードリーダーではこの値が60FPS。つまり1秒間に60回もシャッターを切っていることになります。

モーション・トレーランス性能を体験

実機を触ってみてはじめて分かるモーション・トレーランス性能。弊社ではHoneywell製バーコードリーダーのご評価用デモ機を潤沢にご用意しております。世界累計820万台、さまざまな業界の最前線で利用されるHoneywell Xenon(ゼノン)シリーズのモーション・トレーランス性能をぜひお試しください。

ご評価デモ機はこちらから

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この記事を書いた人

松岡 泰樹

松岡 泰樹

【じ】編集長 兼営業部SDR(セールスディベロップメントチーム) マネージャー。ひとり編集部として、イラスト制作からライティングまで全工程を担当。SDRでは導入前の機器選定・評価サポートから、現場改善支援、協業パートナーと連携したDX支援に従事。