耐凍ハンディーターミナルとは?|冷凍業界の革命児?

耐凍ハンディーターミナル(耐凍端末)とは?

耐凍ハンディーターミナルとは、冷蔵倉庫や冷凍物流の現場で使用することを想定して専用設計された冷凍環境対応のハンディーターミナルです。Honeywell製の耐凍ハンディーターミナルDolphion CK65CSシリーズは、-30℃のF1級クラスの冷凍倉庫でも使用が可能です。

*F1級クラス:-20℃以下から-30℃未満の温度帯を保持した冷凍倉庫(冷蔵倉庫)を指します。

一般的なハンディーターミナルは冷凍倉庫では使えない?

ハンディーターミナルなどの電子機器には【保管温度】・【使用温度】といった項目で、メーカーが動作保証をしている温度帯が記載されています。一般的なハンディーターミナルでは保管温度が<-20℃~70℃>、使用温度が<-10℃~50℃>の機器が多いですが、中には使用温度が-30℃からと記載されているものがあります。一見冷凍倉庫などでも使用が出来る温度帯に見えますが、ほとんどの機器には注意書きで「結露なきこと」と記載があり、温度変化のない環境での使用を限定しています。冷凍倉庫では、冷凍ゾーン・チルド(冷蔵)ゾーン・常温ゾーンがありますが、ゾーン間の移動による温度変化で結露が発生する運用現場では、一般的なハンディーターミナルは使用が出来ません。

結露は全ての電子機器にとって大敵?

ハンディーターミナルだけでなく、スマートフォンやパソコンなどの電子機器には、防水の度合いを表すIP規格を表記した機器が一般的となってきました。このIP規格で表す防水性能は外部からの浸水に対する試験を元に算出されています。

温度変化により結露が起こると、筐体内部にある電子基板に水が付着します。これが冷凍倉庫など温度変化の幅が広い現場では、結露によって電子基板が水没に近い状態となり、水没時と同様にショートによる電子基板へのダメージによる故障の原因となります。

防水性能が高い電子機器であっても結露には極めて弱く、結露は電子機器にとって大敵です。

マイナス温度帯ではバッテリの消費が早い?

冷凍倉庫などのマイナス温度帯での使用を想定していない、あるいは冷凍倉庫で使用するための設計・対策が行われていないハンディーターミナルでは、常温時に比べバッテリの消費が著しく早くなります。これはマイナス温度帯の環境下では電気抵抗が強くなり、高インピーダンス化という現象を引き起こすためです。

一方、耐凍ハンディーターミナルに使用されるバッテリは冷凍倉庫などでも電気抵抗が強くならない高性能な低インピーダンス・バッテリが採用されています。

通常のバッテリでは摩耗・劣化が早く、短期間で交換が必要なことを合わせて留意しておく必要があります。

動作時間や耐落下性能など、カタログや仕様書に記載のある数値は常温環境下での使用を想定した値となっています。電子機器の技術開発促進や試験ガイドラインなどを規格化しているJEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)では、電子機器の使用温度帯をClassA/ClassB/ClassSに分け、動作温度帯の目安となる基準を定義しています。

 

耐凍ハンディーターミナルの特徴|冷凍業界の革命児?

Honeywell製の耐凍ハンディーターミナルDolphion CK65CSシリーズでは、外部の温度を検知するセンサーと、結露を防止するヒーターが搭載されています。冷凍倉庫などの低温環境下では静電気放電による機器の誤動作や故障、高湿による結露や汚損の積み重ねによる電食や誤動作が問題となりますが、耐凍ハンディーターミナルであればこれらの問題も解決します。

結露を阻止|耐凍ハンディーターミナルならではのヒーター機能

結露発生を引き起こす外部温度の変化を検知しヒーターを起動、筐体内部の湿度をコントロールすることで結露を防ぐ設計となっています。

バッテリ稼働時間を最適化するヒーター設定

現場の運用環境により、ヒーターの稼働時間をコントロールすることでハンディーターミナルのバッテリ稼働時間を最適化することができます。マイナス温度帯での作業が多い現場、チルド室と常温ゾーンの出入りが多い現場など、冷凍倉庫や冷凍物流現場の運用に合わせ、設定が可能です。

 

現場の運用を一新?|耐凍ハンディーターミナルへの期待

耐凍ハンディーターミナルを導入することで、今まで出来なかった現場の運用を変えることが出来ます。

冷凍倉庫内での使用を諦めていたことで業務効率が下がっていた現場や、冷凍倉庫の中と外で2種類のハンディーターミナルを使用していた現場など、耐凍ハンディーターミナルを採用することで業務効率の改善や大幅なコスト削減が実現できます。

誤って冷凍倉庫内に持ち込んでしまったことで故障してしまったハンディーターミナルの修理費用や、冷凍倉庫内でのバッテリ切れや動作不良による機会損失など、目に見えづらい費用の削減にも期待が出来るでしょう。

タグ:
  • Tweet
  • Share
  • LINE

この記事を書いた人

【じ】編集部

【じ】編集部

自動認識の【じ】編集部が執筆しております。「自動認識(じどうにんしき)業界をみじかに」をコンセプトに、ニッチな業界の旬な情報をなるべく分かりやすくお届けすることを心掛けている編集部です。