バーコードリーダーの種類・選び方|最適な機器はどれ?|基本の【き】
この記事の目次
バーコードリーダーの選び方 最適な機器はどれ?|基本の【き】編
バーコードリーダーの選び方を【読み取り性能】・【コスト削減】・【運用最適化】に分けて連載していきます。
本記事はバーコードリーダーの選び方に関して、【基本の使い方】・【読み取り性能】・【本体性能】といった3つの視点からバーコードリーダーの種類を紹介する記事となります。
- バーコードリーダーの選び方 基本の【き】編(本記事はコチラ)
- 読み取り性能|読み取り角度編
- 読み取り性能|読み取り精度(デコード性能)編
- 読み取り性能|読み取り距離(DOF)編
- 読み取り性能|モーション・トレーランス編
- 読み取り性能|分解能編
- 読み取り性能|一括読み取り編(近日公開)
- 読み取り性能|プラグイン機能編(近日公開)
- コスト削減|データ編集機能編(近日公開)
- コスト削減|キッティング編(近日公開)
- 運用最適化|用途に合わせた機器編(近日公開)
バーコードリーダーとは?|基本の【き】
バーコードリーダーの使い方
バーコードを読み取るとマウス・カーソルの位置に*テキストデータとしてバーコードのデータが出力されるというのがバーコードリーダーの基本的な使い方となります。一般的な使用方法では専用ドライバのインストールが必要なく、パソコンに接続することですぐに使用できるため、バーコードリーダーは外付けのキーボードと表現されることあります。
*テキストデータ=キーボードでタイピングして出力されるデータ
最近はケーブルを使用せず、Bluetoothでパソコンに接続するワイヤレスタイプが人気となっています。ワイヤレスタイプのバーコードリーダーであっても、ケーブルを使用する有線タイプと同じようにマウス・カーソルの位置にテキストデータを出力します。
バーコードリーダーとバーコードスキャナー|どちらが正しい?
バーコードリーダーと表記されている製品とバーコードスキャナーと表記されている製品がありますが、呼び名が違うだけでこれらは全く同じ製品です。
他にも、QRコードなどの2次元コードの読み取りが可能な機器をQRコードリーダーや2次元スキャナーなどと呼ぶことがあります。こちらは1次元コードのみ読み取れるバーコードリーダーと比較する形で呼ばれることもありますが、大きな枠組ではバーコードリーダーの種類の1つ、というふうに考えておけば問題ありません。本記事を読んでいただければQRコードリーダーや2次元スキャナーとバーコードリーダーの違いが分かります。
読み取り性能別|バーコードリーダーの選び方
バーコードリーダーの心臓部?|バーコード・エンジン
バーコードリーダーには、バーコードの読み取りとバーやスペースのパターン解析処理を行う*バーコード・エンジンが搭載されています。バーコード・エンジンはその名の通りバーコードリーダーの心臓部であり、バーコードリーダーの読み取り性能は搭載されているバーコード・エンジンによって決まります。
*バーコード・エンジンの他、スキャン・エンジンなどと表記されています。
バーコードリーダーは大きく分けて2タイプ
バーコードリーダーには搭載されたバーコード・エンジンの種類によって、1次元コードのみを読み取る1次元バーコードリーダーと、QRコードなどの2次元コードの読み取りも可能な2次元バーコードリーダーの大きく2つのタイプに分かれます。
1次元バーコードリーダーの種類
1次元バーコードリーダーには、読み取りにレーザー光を使用するレーザーエンジンのバーコードリーダーと、読み取りにLED光源を使用するCCDエンジンのバーコードリーダーがあります。どちらも1次元バーコードのみの読み取りでそれぞれ特性が異なります。
【レーザーエンジン】バーコードリーダーの特徴
読み取りにレーザー光を使用した1次元コード読み取り用バーコードリーダー
- 読み取りにレーザー光を使用
- 製造ラインや物流現場で根強い人気
- 読み取り部分が見やすい(視認性◎)
- 構造上、壊れやすい
- スマートフォンに表示されたバーコードが読めない
【CCDエンジン】バーコードリーダーの特徴
接触読み取りが必要だった旧タイプのCCDバーコードリーダーと対比する形で、最大15cmほど離れた距離からも読み取りが可能なことからロングレンジCCDやリニアイメージャーと呼ばれることも。
- 読み取りにLED光源を使用
- レーザー光タイプのデメリットを補う立ち位置
- レーザー光タイプに比べ、壊れにくい
- レーザー光タイプに比べ、LED光源のため視認性が劣る
- スマートフォンに表示されたバーコードが読める
業務用途には2次元バーコードリーダーが最適?
2次元バーコードリーダーは1次元バーコードリーダーに比べ、圧倒的な読み取りスピード、難読バーコードや一括読み取りなどのバーコードの読み取り性能、機能追加などの拡張性、製品ラインナップが豊富です。2次元バーコードリーダーはその革新的な性能から、10年ほど前から物流や製造業といった現場から小売店や病院まで、さまざまな業界で急速に普及しました。
【2次元】バーコードリーダーの特徴
デジタルカメラに使用されるCMOS素子を使用したCMOSエンジン搭載のバーコードリーダー
10年程前から急速に普及し、現在の主流。1次元バーコードリーダーに比べ、読み取りスピード・性能が格段に良く、拡張性や製品ラインナップなどが豊富。
- 読み取りにLED光源、イメージセンサーにCMOS素子を使用
- バーコードの読み取りスピードが早く、精度が高い
- かすれや汚れなど難読コードの読み取りが可能
- 複数あるバーコードを一括読み取りが可能
- スマートフォンに表示されたバーコードが読める
2次元バーコードリーダーの種類
2次元バーコードリーダーにも搭載するバーコード・エンジン(特にカメラ性能)のグレードによって性能が異なります。読み取り可能距離や読み取り可能なバーコードのサイズ、移動体への読み取り精度など、実際には細かなラインナップがありますが、ここでは大きく3つのバーコード・エンジンをご紹介いたします。
世界累計出荷台数820万台、世界でもっとも使われている2次元バーコードリーダー【Xenon】シリーズはグローバルシャッターを採用した高性能CMOSエンジンを搭載しております。
2次元バーコードリーダーは文字も読み取れる?
Honeywellのバーコードリーダーであればバーコードだけではなく、文字を読み取ることができます。賞味期限やLOT番号など、バーコード化されてない文字も読み取りが可能なため、今まで手書きや手入力をしていた業務の改善が可能です。文字読み取り機能に関してはこちらのページより詳細をご確認いただけます。
文字読み取り機能の出力方法は?
バーコードデータの出力と同様に、マウス・カーソル位置に読み取った文字をテキストデータとして出力します。
本体性能別|バーコードリーダーの選び方
ワイヤレスタイプが主流?
近年はワイヤレスタイプの2次元バーコードリーダーを採用する企業が急激に増えてきました。ケーブルのわずらわしさがなく、読み取り作業の効率を格段に向上させるワイヤレスタイプのバーコードリーダーは、作業をスムーズに行なうことができるため、生産性が飛躍的に向上します。
工業用堅牢タイプ|男心くすぐるバーコードリーダー
物流倉庫や製造現場など、堅牢性が求められる現場では工業用向けに強化されたバーコードリーダーが使われています。高い場所からの落下に耐え、防塵防水の構造設計、フォークリフトに乗ったまま16m先のバーコードが読み取れる超ロングレンジのオートフォーカス・エンジン、マイナス20度の冷凍倉庫でも使用可能なモデルなど、男心をくすぐるたくましいバーコードリーダーです。工業用バーコードリーダーはこちらのページより詳細をご確認いただけます。
ウェアラブルタイプや置型タイプ、魚眼レンズの組込みタイプまで
倉庫内でのピッキングや配送業務など、作業中に両手が自由に使えるウェアラブル・タイプのバーコードリーダーや直立する置き型タイプのバーコードリーダー、自動販売機や空港などの自動入場ゲートに組み込まれる小型組み込みタイプのバーコードリーダーなど、その他にも運用用途に合わせてさまざまなバーコードリーダーがあります。
スマートフォン用のバーコード・エンジン?
40年以上の歴史があるHoneywellのバーコードリーダー。ペン型バーコードリーダーを世界で初めて開発したウェルチアレン社の技術を引き継いできました。そのHoneywell製バーコードリーダーの真髄であるバーコード解析のソフトウェア【Swift Decoder】をお使いのスマートフォンに搭載することが可能となりました。【Swift Decoder】の詳細はこちらのページでご確認いただけます。国内では株式会社ビックカメラ様をはじめ、多くの企業でご採用いただいております。
VRS(ワクチン接種システム)対応のOCR・バーコードリーダー
OCR読み取りスピード95%UP|現場の業務負担を削減
さまざまなビジネス現場で使用されるHoneywell製バーコードリーダーが、VRS(V-SYS)・コロナワクチン接種記録システムに対応しました。タブレットでのOCR読み取りに比べ、95%の読み取りスピードUPを実現しました。これにより現場の負担を大幅に削減いたします。【VRS対応のOCR・バーコードリーダー】の詳細はこちらのページでご確認いただけます。
*QRコードはデンソーウェーブ社の登録商標です