ハンディーターミナルの種類と選び方

ハンディーターミナルの選び方

検討項目は業務に合わせてさまざま

ハンディーターミナルの種類
ハンディーターミナルは小売店舗などの私たちでも目にすることのある現場から、普段はなかなか見ることの出来ない物流倉庫や製造現場、最近では医療現場など業種業界問わず使用されており、業務の中心として使用されることや、業務効率の改善に期待を寄せられることの多いデバイスです。数年前まで主流であったWindows OS搭載のハンディーターミナルと比べ、現在主流のAndroid OSを搭載したハンディーターミナルはラインナップが豊富で、「どのように機器を選べば良いか分からない」といったお声が寄せられることが多くなってきました。サイズや形状といった現場の使用者の使いやすさを重視して選択される場合や、使用する現場によっては特殊な筐体設計によって作られたハンディーターミナルの採用を義務付けられている現場など、業務に合わせてさまざまな検討項目が存在します。本記事では、Androidハンディーターミナルにはどのような種類があるのか、Androidハンディーターミナルを導入した企業がどのような検討項目を比較して判断しているか、を4つの大分類に分け【ハンディーターミナルの種類・選び方】としてまとめています。

 

ハンディーターミナルにはどんな種類がある?

まずは見た目でも分かる検討項目に関して、<モデル>と<形状>の2つの項目に分けてまとめました。

知っておきたいハンディーターミナルの種類<モデル>

ハンディーターミナルの種類
ハンディーターミナルの種類には、標準モデルの中にも軽量・薄型のモデルから、3m近い高さから落下しても壊れない高堅牢なモデルがあります。その他にも医療現場や食品工場で採用される医薬品消毒が可能なメディカルモデル、冷凍倉庫といった特殊な環境に特化して設計された冷凍モデルなど、用途に合わせて多くのラインナップがあります。中でも防爆モデルといった聞き慣れない特殊仕様のハンディーターミナルは、化学工場・塗料工場・食品工場(一部)など、端末が発する微力な静電気により爆発を誘引してしまうような現場での採用を法令で義務付けられており、「防爆モデルかどうか(防爆認証を取得した端末であるか)」がハンディーターミナル採用検討項目の最上位にくる場合があります。

ハンディーターミナルの形状の違い

ハンディーターミナルの種類
ハンディターミナルの形状はスマートフォン・タイプとキーボード搭載タイプに*二分されます。ここ数年で一番採用されているのはスマートフォン・タイプのハンディーターミナルです。以前からハンディーターミナルを導入している現場では「キーボードがないと操作しづらい」といったイメージが強くあり、従来モデルのキーボード搭載タイプを検討機器に挙げられることが多いですが、実際にスマートフォン・タイプをご評価いただくと「スマートフォンのように仮想キーボードで十分使える」という判断になるケースが多く、入替導入の現場であっても新規採用の現場と同様に、スマートフォン・タイプが一番人気です。

*一部の現場で採用されるタブレット・タイプを除く


 

価格で選ぶ|3タイプの価格の考え方

検討項目として欠かせないハンディーターミナル本体費用。“なんとなく”決められている予算で購入できる機器、社内稟議に“あげやすい”といった理由から、本体費用(イニシャルコスト)につい目がいってしまいがちですが、ビジネス用途で使用するハンディーターミナルは4~5年といった長期間で利用をされることが最も多いため、導入後にかかる費用(ランニングコスト)にも考慮が必要となります。3つの切り口から価格で選ぶ場合の検討項目をまとめました。

導入費用の安いハンディーターミナル

ハンディーターミナルの種類
本体費用が検討項目の一つとなるのは各社共通です。端末選定の担当者にとってはプロジェクト全体のROI(費用・投資対効果)算出のため、重要な項目の一つとなるのは当然でしょう。本体費用が安いことは導入時のコスト《イニシャル・コスト》を抑えるメリットがある一方、本体費用と引き換えとなる導入後のコスト《ランニング・コスト》にも注意が必要です。ランニング・コストには本体性能に関わることから、ソフトウェアとの互換性や検証費用、故障による機会損失などが挙げられます。

以下、導入費用が安いハンディーターミナルにおける引き換えとなる特徴の一例です。

  • Android OSのバージョン|「数世代前のOSではないか?」・「アップデートは可能か?」など
  • 機構・設計、機能など|「重たく、持ちづらい」・「ディスプレイが小さく見づらい」・「バーコード読み取り性能が悪い」など
  • 供給面・保守|「買い切りとなり、追加導入時に違う機器となる」・「修理対応が出来ない」など
この他にもランニング・コストに挙げられるものは多く、イニシャル・コスト同様に検討項目として考慮する必要があります。

OS対応年数の長いハンディーターミナル

ハンディーターミナルの種類
「機器を長く使うことができる」ということを業務全体で中長期の期間で考えた場合、ランニング・コストの大幅な削減に繋がります。一般的なハンディーターミナルでは導入時のOSが固定となりOSアップグレードできないために、セキュリティ面での不安やアプリが対応せず動作しなくなる、といった致命的な影響を及ぼす場合があります。「機器を長く使うことができる」一つの観点として、ソフトウェア面での耐用年数の長い=OSの対応年数が長いハンディーターミナルという選択肢があります。HoneywellのMobility Edgeシリーズのハンディーターミナルであれば、最大7世代のOSアップデートが可能となるため機器を長く使用することができ、中長期での大幅なコスト削減が可能です。

Honeywell社・本国(アメリカ)の資料の中でMobility Edgeシリーズを紹介する際に、【Future Proof】という言葉が頻繁に出てきます。このProofという単語は直訳すると「(確かな)証拠」といった意味となりますが、【Water Proof(防水)】・【Bullet Proof(防弾)】といった用語にも使われており、ProofをFuture(未来)と掛け合わせて、【耐将来性=導入後の変化に備える】 という意味で使われています。耐将来性という言葉は日本語ではなかなか使われない表現ですが、Honeywell製ハンディーターミナルを表現する良い言葉ですので、共有させていただきます。

堅牢性の高いハンディーターミナル

ハンディーターミナルの種類
防塵防水性能や耐落下性能を打ち出している堅牢性の高いハンディーターミナルは、ハードウェア面での耐用年数の長い機器と言えます。物流倉庫や製造現場などで多く採用される傾向がありますが、その一番の理由は破損や故障による機器が使えない時間=ダウンタイムを極限まで減らし、防ぐことです。

 

機能や周辺環境で選ぶ

ハンディーターミナルにはバーコードを読み取るという基本機能以外にも、業務効率改善の糸口となる特殊な機能や、近年注目されているRFIDリーダライタといった専用アクセサリ、またソフトウェアとの互換性などの周辺環境といった観点からみるハンディーターミナルの検討項目です。

独自機能|現場運用を根本から見直せるかも?

ハンディーターミナルの種類
ハンディーターミナルのベースとなるのはOSは、スマートフォンでも使われているAndroid OSが採用されているため、メーカーによる大きな差異はありません。その一方で機能に関してはメーカー毎・ハンディターミナル毎に異なります。一例となりますが、HoenywellのハンディーターミナルではOCR読み取りが可能なモデルや、最大16m離れたバーコードを読み取れるロングレンジモデル、電源を落とさなくてもバッテリ交換が可能なバッテリ・スワップ機能、インカムに特化したPTTボタンなど、ユニークな機能があります。これらの機能は今までの現場運用を根本から変える可能性や、特定の業務を大幅に改善出来ることがあるため、機能を重要項目として検討されるケースも多数あります。

アクセサリやアプリとの相性

ハンディーターミナルの種類
アクセサリやソフトウェアとの互換性など、業務効率の改善の要となるような周辺環境で機器選定をされることもあります。RFIDリーダライタのように今までの運用を大きく変えるようなアクセサリや、今まで数か月の工数がかかっていたアプリケーション開発をわずか数日で実現する業務アプリ開発プラットフォームとの互換性、MDM/EMMとの相性、専用SDKの開発の容易さなどが検討項目としてあげられます。

 

導入後を見据えた保守プランで選ぶ

運用時のトラブルに備える

ハンディーターミナルの種類
私たちが日常で使うスマートフォンにも、画面破損の修理やバッテリ交換などを定価よりも安く行うことができる保守プランが存在します。iPhoneなどのApple製品の保守サービスであるApple care™が有名です。ハンディーターミナルにも同様に保守プランが存在します。一般的にハンディーターミナルは4-5年間以上の長期使用を想定する企業が多く、スマートフォンよりも長い期間使われるため、ハンディーターミナル導入時には保守プランへの加入をセットで検討されます。保証内容はメーカーにより異なり、導入後のサポート体制に関する特徴が顕著に表れるため、保守プランが採用の決め手となるケースもあるほどです。

スマートフォンなどの電子デバイスと同様に、ハンディーターミナルはリチウムイオン・バッテリが搭載されています。リチウムイオン・バッテリの特性上、充放電による最大容量の劣化が必ず起こるため、導入から数年後にはバッテリ劣化により稼働時間が低下し、充電頻度を上げなければいけないといった作業効率の低下に直結します。このようなバッテリ劣化などの消耗品購入の申請は、現場からIT部門・システム担当者にはなかなか伝達されない事例の一つです。保守プランの中にバッテリの新品交換を含むことで、現場の声を拾いやすく、かつ単体購入よりも費用がを抑えられるため、保守プランは見えづらいコスト(ランニング・コスト)を削減するためのポイントにもなりえるでしょう。

 

世界で選ばれるHoneywellのハンディーターミナル

現場の改革を求められるDXの時代に、Honeywellのハンディーターミナルが世界中で採用されています。他メーカーにはないHoneywell製ハンディーターミナルの特徴である業界最長のOSアップデート対応(Mobility Edge)により、機器を長く使用することができ、中長期での大幅なコスト削減を実現します。その他、詳細は以下のハンディーターミナル専用サイトにてご確認いただけます。

ハンディーターミナル専用サイトへ

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この記事を書いた人

松岡 泰樹

松岡 泰樹

【じ】編集長 兼営業部SDR(セールスディベロップメントチーム) マネージャー。ひとり編集部として、イラスト制作からライティングまで全工程を担当。SDRでは導入前の機器選定・評価サポートから、現場改善支援、協業パートナーと連携したDX支援に従事。